★What's New!

▶︎2024/09/24

イグナシオ・ラモネ(スペイン人ジャーナリスト)からジョー・バイデン米国大統領に宛てた公開書簡「キューバをテロ支援国リストから除外せよ!」に対する賛同署名の要請をOPINIONに掲載しました。

 

▶︎2024/0617

イグナシオ・ラモネ(スペイン人ジャーナリスト)による、キューバ共和国大統領ミゲル・M・ディアス=カネル・ベルムーデスへのインタビュー「キューバは決して傍観してこなかった」(グランマ紙掲載)をNEWS &EVENTに掲載しました。

 

▶︎2024/05/27

米国の対キューバ経済封鎖と、事実に基づかない恣意的なテロ支援国家リストへのキューバの記載を直ちに廃棄することを要求する アメリカの対キューバ経済封鎖とキューバの主権を考える有志の会声明 をOPINIONに掲載しました。

 

▶︎2024/03/28

 3月17日にキューバ東部で発生した “抗議行動” を受けて、OPINIONに「アメリカの対キューバ経済封鎖とキューバの主権を考える有志の会声明」を掲載しました。

 

▶︎2023/10/06

OPINIONに「キューバのテロ支援国家リストからの除外を求める国際署名」の呼びかけを掲載しました。

 

▶︎2022/12/06

EVENT&NEWSに「第7回全国キューバ友好の集い」(11/30)の開催報告と当日の発言の中から「皆さんに経済支援を訴えます」(新藤通弘)を掲載しました。

 

▶︎2022/07/15

EVENT&NEWSに、ラミレス駐日キューバ大使によるオンライン講演会『バイデン米政権が発表した対キューバ措置「正しい方向への限定的な前進」』の発言テキストを掲載しました。

 

▶︎2022/07/06

OPINIONに、オンライン会議「我らがアメリカと米州首脳会議」のパネリスト発言録を掲載しました。

 

【私たちの主張】


アメリカの対キューバ経済封鎖と

キューバの主権を考える有志の会「声明」


【声 明

アメリカの対キューバ経済封鎖解除を求め、キューバの主権を擁護します

 

キューバ社会が1959年の革命勝利後、かつてない危機に直面しています。キューバは、この数年間経済成長が停滞していましたが、トランプ政権は、キューバ経済を疲弊させ、体制変換のために市民を立ち上がらせる目的で、1962年以来続いている経済封鎖の上に、243件の制裁措置を新たに導入しました。この結果、キューバ政府発表では、20194月から202012月まで、経済封鎖による損害は915,700万ドル(月平均43,600万ドル、GDPの約5%)に上っています。そのうえ、新型コロナのパンデミックにより、重要な外貨収入源である観光客・観光収入が激減、観光収入は202195.5%減少し、外貨収入は昨年24億ドル、前年比14.5%減少しました。本年度も外貨収入は、上半期48,000万ドル減収となり、外貨状況は、ひっ迫しています。経済成長は、昨年度マイナス10.8%、今年度上半期マイナス2%を記録しました。輸入は計画を40%下回り、国営商店ではモノ不足が目立っています。また修理部品の不足により、火力発電も停電が頻繁に発生しています。

 

キューバは、現在、経済発展を図るため、積年の課題である為替レート、通貨統一の問題に取り組んでいますが、副次的にインフレや投機が発生しており、市民の生活にとまどいが生じています。こうした内外の情勢の中で、数年前から取り組まれている経済改革の速度も緩慢にしか進んでいません。その上、デルタ株の浸透により医薬品や隔離施設不足の中で新型コロナ汚染が人口10万人につき70人余のレベルまで急速に拡大し、厳しい行動制限が導入され、市民のストレスは高まっています。これらの不満の高まりから、メキシコ経由のアメリカへの不法移住も最近の9カ月で21,000人を超え、1年前と比べ倍増しています。

 

こうした困難な国内情勢に乗じて、7月初め、SNSでアメリカに向かってキューバへの人道支援、人道的介入の要請が流されはじめ、711日、数十の都市で、数百名が参加する異例の反政府デモが同時多発的に発生しました。報道されている映像によると、デモの中枢部にいた数十人は「独裁政府」反対などの過激な政治スローガンを叫んでいましたが、ほとんどの参加者は、現状の生活の不満を訴えていました。このデモの動員は、アメリカ政府のアメリカ国際開発庁(USAID)などの資金援助を受けたアメリカ在住者のサイバーアカウントから発信されたものでした。デモは11日、12日と継続しましたが、政府当局や政府支持派の人々が医療、教育、文化、スポーツにおける革命の成果を守ろうとメディアや街頭で訴えたこともあって、沈静化しました。15日アメリカのバイデン大統領は、演説で世界を民主主義国家と専制主義国家に二分する独自の価値観外交に基づき、キューバは「失敗国家であり、自国民を抑圧している」と非難しました。さらに、アメリカ政府は、22日には、11日、12日のデモ参加者を不当に拘束するなどの人権侵害があったとして、キューバ政府幹部や治安組織を繰り返し制裁対象に指定しました。さらに811日にはアメリカ政府は、SNSによるキューバ国内の反政府活動を支援するため、アメリカの企業・個人がキューバ国民にインターネットサービスを提供することを許可しました。

 

キューバ政府への抗議行動は、日本にも及び716日在日キューバ人十数名が東京のキューバ大使館前で無許可の抗議活動を行い、25日には渋谷のハチ公前広場でキューバ人以外の外国人も交えた同グループ十数名が抗議活動を行いました。デモ首謀者のSNSから、これらの行動もアメリカから支援を受けたグループが行ったものであることは明白でした。

 

1962年から58年間継続されているアメリカの対キューバ経済・通商・金融封鎖、それに加えた最近の制裁は、国連の安保理事会の決議もない、国連憲章にも国際法にも違反するアメリカの一方的な干渉政策です。本年6月の第75回国連総会は、加盟国193カ国のうち、184カ国が賛成、2カ国(米国、イスラエル)が反対、3カ国(コロンビア、ウクライナ、ブラジル)が棄権、4カ国(中央アフリカ、ミャンマー、ソマリア、モルドバ)が欠席という圧倒的多数で、解除決議を採択しました。解除決議は、1992年から28年間連続して採択されています。アメリカ政府は、経済封鎖・制裁を国際法と世界の世論に従い即刻廃棄しなければなりません。

 

バイデン政権は、トランプ政権の経済制裁政策を緩和するどころか、継続し、強化しています。同政権は、キューバには普遍的な人権が欠けていると決めつけ、未曽有の経済困難にあえぐキューバ経済を窒息させ、キューバ国民が社会主義をめざす政権を倒壊させるために蜂起する絶好の機会とみて外部からの干渉を強めています。7月11日の事件は、キューバ国民の間に、また一部の文化人、知識人の間に事件の原因と性格をめぐって、深刻な意見の対立をもたらしていますが、それは、キューバ人同士が話し合いで民主的に解決する問題です。キューバが、どのような問題を抱えていても、それは基本的にキューバの内政問題であり、それを国際的審判官のように人権問題が欠けていると断罪し、制裁を追加し、主権を侵害して内政干渉を正当化することは許されないと私たちは考えます。

 

私たちは、ここに、改めて、アメリカの対キューバ経済封鎖・制裁の即時の解除を求め、アメリカのキューバ干渉政策に反対し、キューバの主権と自決権を擁護する決意を表明するものです。

 

20218月 

アメリカの対キューバ経済封鎖とキューバの主権を考える有志の会

 


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